焼香
焼香とは、お香を焚いて故人や仏様を拝む仏教の作法です。
香りには「身を清める」「心を落ち着かせる」という意味があり、香煙を仏様や故人に届けることで、敬意や祈りの気持ちを表します。
以前、菩提寺のご住職の法話で「精霊は香気を食す」という言葉を伺ったことがあります。
これは、故人の魂は香のかおりを食事のように受け取り、それによって私たちの供養の心を感じ取る、という仏教の教えです。
焼香は、単なる形式ではなく、故人への祈りや感謝の気持ちを香煙に託して届ける、大切な行いなのです。
焼香の種類
焼香にはいくつかの種類があります。式の形式や会場によって異なるため、案内に従いましょう。
■立礼焼香(りつれいしょうこう)
立ったまま焼香します。現在の葬儀では最も一般的です。
■ 座礼焼香(ざれいしょうこう)
正座したまま焼香します。ご自宅や寺院での葬儀に多いです。
■回し焼香(まわししょうこう)
お香を一人ひとりに回して行う方法で、スペースが限られている会場などで使われます。
焼香のやり方
一般的には、抹香(まっこう)を指でつまみ、一度、額の高さまで掲げてから香炉にくべるという動作を1~3回繰り返すのが基本です。
ただし、宗派によって回数や作法が異なることがあります。
たとえば、抹香を掲げない宗派や、1回だけでよい宗派もあります。
まとめ
焼香は、決まり事に縛られるものではなく、「故人を想う気持ち」が一番大切です。
慣れていない方も、形式にとらわれすぎず、心を込めて手を合わせれば十分にその想いは伝わります。