ロウソクの意味について
お葬式や法要、お仏壇の前で灯されるロウソク。
このロウソクの火は、「灯明(とうみょう)」と呼ばれ、古くから仏教の儀式やお参りの場で大切にされてきました。何気なく灯しているように見えるその炎には、時代や宗派、地域の習わしの中で、さまざまな想いが重ねられてきたといわれています。
ロウソクを灯す意味
■「仏様の智慧と慈悲」を象徴する灯り
仏壇に灯すロウソクの火は、
仏様の「智慧(ちえ)」と「慈悲(じひ)」を象徴するものと説明されることがあります。
- 智慧…迷いや悩みを照らし、真理へと導くはたらき
- 慈悲…人々を思いやり、救おうとする心
ロウソクの灯りが暗闇を照らす灯りのように、仏様の教えが私たちの心を明るく照らす。その象徴として灯明が供えられてきたと考えられています。
■ご先祖様を偲ぶ心のあらわれ
お盆などの時期には、迎え火や提灯を灯す風習があります。
これらは、ご先祖様を敬い、感謝の気持ちを表す日本の伝統的な習わしです。
ロウソクの灯りは、亡き方を偲び、心を静めるための大切なひとときを演出する役割も担っています。
※宗派により解釈や考え方は異なる場合があります
■心を整えるひととき
火は古来より特別な存在として扱われてきました。
ロウソクの炎を見つめる時間は、日常の慌ただしさから離れ、自らの心と静かに向き合う機会ともなります。
灯明は、空間を明るくするだけでなく、私たちの心を整えるきっかけとなる存在ともいえるでしょう。
ロウソクを左右一対で灯す理由
お仏壇では、ロウソクを左右一対で供えるのが丁寧な形とされています。
これは仏具の配置として整った形とされ、見た目の調和や丁寧さを表すものです。
また、仏教の教えに「自灯明(じとうみょう)・法灯明(ほうとうみょう)」という言葉があります。(『大般涅槃経』)
自らをよりどころとし、教えをよりどころとするという意味で、
法話の中では、この教えになぞらえて灯明が説かれることもあります。
ただし、これらの捉え方や意味づけについては、宗派や地域による違いがあります。
まとめ
ロウソクの灯りには、仏様の智慧と慈悲、故人やご先祖様を偲ぶ心、そして自らの心を整える時間を大切にする想いが込められていると伝えられてきました。
お仏壇や葬儀の場でロウソクを灯すひとときは、形式のためではなく、仏様やご先祖様、そして自分自身と静かに向き合う大切な時間です。
その灯りに込められた意味を知ることで、日々のお参りが、より心に寄り添うものになるかもしれません。

