合掌
葬儀や仏事の場面でよく見かける「合掌(がっしょう)」。日常でも自然と手を合わせる場面は多いですよね。
先日、祖父の法事でご住職がお話くださった「合掌」の意味が、心に深く残っています。
私は、普段、何気なく手を合わせるその所作に込められた想いまで深く考えたことはありませんでした。
でも、ご住職の言葉を聞いたとき、「これは自分だけでなく、もっと多くの人にも知ってほしい」と感じたので今回は「合掌」についてお話します。
合掌の由来と意味
仏教では、合掌(手を合わせること)は、仏様への「敬意」や「感謝」、「祈り」の気持ちを表す大切な作法とされています。また、亡くなった方へのお悔やみの気持ちや、心を通わせるための行いでもあります。
合掌はもともと、仏教が生まれたインドの礼儀作法にあります。インドでは、右手は「清浄」、左手は「不浄」を表していて、この正反対の手を合わせることで「調和」や「敬意」の意味が生まれました。つまり、合掌は、自分と相手との間にある壁を取り払い、心からの敬意を表す行いなのです。
仏教ではさらに、
- 右手は仏様の世界(極楽浄土)
- 左手は私たちが生きる現実の世界
を表すとされており、この両手を合わせることで「仏様とつながる」「故人が安らかに成仏できるように願う」という深い意味が込められています。
まとめ
合掌とは、仏様と自分、そして故人と自分の「心をつなぐ」行為です。かたちだけではなく、その背景にある意味を知ることで、葬儀の時間がより深く、心に残るものになるでしょう。
手を合わせるそのひとときに、どうか「ありがとう」「安らかにお眠りください」という想いを込めてみてください。